【攻略】さいたま国際マラソン

他の国際女子マラソン大会との比較

さいたま国際マラソンは、大阪や名古屋の国際女子マラソン大会並みに人気のエリート大会になれるのでしょうか?

名称開催月制限時間定員エリート資格エリート参加数
(開催年)
さいたま国際11月4時間5000人3時間30分以内-
大阪国際女子1月3時間15分なし3時間13分以内452(2015)
名古屋ウィメンズ3月7時間18000人3時間以内461(2015)
横浜国際女子(終了)11月3時間15分-3時間15分以内359(2014)

各大会のコース高低図を見て見ましょう。ちょっと見にくくて申し訳ないのですが、画像をクリックして拡大すると見やすくなります。時間があれば是非じっくり見てください。

さいたま国際マラソン高低図
さいたま国際マラソン高低図

大阪国際女子マラソン高低図
大阪国際女子マラソン高低図

名古屋ウィメンズマラソン高低図
名古屋ウィメンズマラソン高低図

横浜国際女子マラソン高低図
横浜国際女子マラソン高低図

さいたまコースは小刻みなアップダウンが多いことがわかります。
一方で、大阪は、ほとんどフラットなので記録を狙うのであればこの大会だと誰にでも一目でわかります。名古屋もアップダウンはあるのですが勾配は緩やかです。
実際に、大阪国際女子マラソンの歴代記録を見ると、2時間21分台で走っているランナーが過去に3人います。22分台は5人います。
名古屋ウィメンズマラソンは、以前の名古屋国際女子マラソンも含めた大会記録は、2000年に高橋尚子が出した2時間22分19秒です。22分台は他にいません。野口みずきは、2003年の大阪国際女子で2時間21分18秒で優勝し大会記録保持者ですが、2002年の名古屋国際女子では2時間25分35秒でした。

高低図だけみてると大阪、名古屋と比べると小刻みなアップダウンが多いさいたまのコースはエリートに敬遠されるかもしれません。

代表戦としてのさいたま国際マラソン

日本代表枠を狙うエリート選手にとって、さいたまの位置づけはどのようなものでしょうか?
11月中旬開催ということは、3ヶ月前の8月中旬からスピードトレーニングに取り組むのが王道です。スピード練習に暑い時期から取り組むのは選手にとって過酷です。さいたまは、時期的に調整が難しいので大阪、名古屋に照準を合わせて確実調整して行こう。と考える選手が多いのではないでしょうか。横浜よりも大阪、名古屋にエリート選手が多く出場していたのはこのような背景があるようです。

さいたまも同様に敬遠される大会かもしれません。
しかし肝心なのは、代表となって戦うオリンピックは毎回夏に開催されることです。暑さに強いランナーでなければ勝てないのがオリンピックです。
2016年のリオデジャネイロは南半球なので8月は涼しく、最高気温の平均は25度前後、最低は20度程度と東京より約10度低く、また湿度は東京と同じ程度か若干低いようです。一方、東京の8月は蒸し暑く、朝7時には気温30度近くになることがあります。雨が降らなくても湿度が高く80%を越える日も最近では珍しくありません。2020年までに大きな気候変動が無い限り、1年中でもっともマラソンをするのに不向きな月でオリンピックを戦うことになります。

この不快なコンディションで戦えるランナーを育てるには、暑さに強いランナーを今から育てるしかありません。夏にトレーニングを積むことができるランナー、寒さに弱くても暑さに強ければオリンピックは大丈夫です(笑)。大阪、名古屋よりもさいたまで勝つランナーを重視するといった事にならないでしょうか?同様に8月に開催されている北海道マラソンも対オリンピック戦としてもっと注目される大会であっていいように思います。