「陸王」シューフィッターのモデルになった三村仁司さんの言葉

池井戸潤の「陸王」が話題です。陸王に登場するベテランシューフィッター「村野尊彦」、モデルは三村仁司さんですね。

陸王

sportivaに三村仁司さんのマラソンシューズ秘話が掲載されています。

web sportiva 2016/7/21掲載 伝説のシューズ職人・三村仁司が語る「マラソン五輪メダルの裏側」

現場からのリアルな声は生々しく重みがあります。

「当時のマラソン選手はメチャクチャきつい靴を履いていて、寺沢さんは皮のアッパーでピチピチだったから外反母趾になっていた。それに君原さんは、綿のアッパーの靴で親指のところに最初から穴を開けていたんです。それを不思議に思って聞いたら、走っているうちに足がきつくなるからだと。
 後でわかったことだけど、走り出して15分くらいすると靴の中の温度が上がり始め、45分で最高になる。それで靴の中の足も蒸れて大きくなるんです。そのうえ、綿のアッパーは汗などで濡れると縮むから余計きつくなって、最後はどの選手も腰が引けたような走りになっていたんです」

「マラソンシューズというのはいろいろなシューズの中でも、一番部品が少なくて構造が簡単なんです。だからこそ難しいですね。選手の個性に合わせて、2時間以上も履いていられるものにしなければいけないから」

有森裕子選手の銀メダルについて

「正直ダメだと思っていたから、36㎞過ぎで(ワレンティナ・)エゴロワ(ロシア)とトップ争いをする姿が競技場に映し出された時はビックリしたし、何かが胸に込み上げてくるような感じでした。2位で競技場に入ってきて、悲壮な顔で最後まで食らいついている姿を見て涙が止まらなかった。自分が銀メダル獲得に貢献できたことより、あの状態で走りきった有森の精神力のすごさに感動していました」

この取材記事はつづきがあるようなので楽しみです。

三村仁司さんの言葉、こちらにも

一流はなぜ「シューズ」にこだわるのか (青春新書インテリジェンス)

金メダルシューズのつくり方