春開催には課題も
ウルトラトレイル・マウントフジ実行委員会は、第6回UTMF(2017)の開催は見送り、2018年春の開催を目指し調整していくことを発表しました。
もともと春に開催されていたUTMF。第3回大会までは4-5月に開催されていましたが、自然保護団体などからの要請により、第4回からは9月に変更して開催されてきました。
しかし天気に恵まれず、今年開催された第5回大会では警報が発令されるほどの荒天となり、途中中止の処置がとられています。
再び春への移行ですが、2017年春までには間に合わないため、2018春の開催を目指し調整していくとのこと。
しかし、昨今のトレイルランニングに対する風当たりは弱くなく、自然保護団体をはじめとした渉外は難航が予想されます。また、UTMFの取り組みは他のトレイル大会への影響も少なくないため、国内のトレイル大会の在り方についてどのように調整していくのか注目されます。
全く新しいコースもあり
UTMFは富士山をぐるっと一周するという強力なコンセプトで、日本を代表するトレイルラン大会ではありますが、回を重ねるたびにロードの割合が多くなっていたのは残念でした。
モンブランを周回するUTMB。同じコンセプトですが、富士山を囲む環境はヨーロッパのそれとは違っていました。
富士山周辺には貴重な自然資源が多く(他のエリアにも同様ですが、声を上げる人が多かった)、これへの配慮から、もともとコースだった三国山や毛無山などは迂回され、優れた展望地点を通過できなくなり、累計高度も下がれば、コースの魅力も落ちてきていたのは否めません。
富士山南東エリアには自衛隊の演習場もあることから、何かと大変な地域。
そこで、もはや周回にこだわらず全く新しいコースに作り直してみてはどうだろうか。
富士山の東、北、西エリアには深い山々がたくさんあり、富士山麓へのゴールだけ決めればコース設定は無数にできるはず。
富士山を目指して走るというコンセプトでも、UTMFとの名称であまり違和感はないと感じます。
2018年5月の開催とすると、あと17ヶ月。エントリー開始を半年前にすると、発表までに約10ヶ月。残された時間はあまりありません。
実行委員会の取り組みに期待して、真に日本を(色々な意味で)代表するトレイルランニング大会を開催してほしいものです。