ドーピングの嵐 ケニア、中国にも

中国で出版された一冊の暴露本をきっかけに中国でもドーピング問題が話題になっている。
著者の元記者は、本の中で、世界選手権と五輪の金メダリストを多数育てた馬俊仁元代表監督(73)が1993年から選手たちにエリスロポエチンを強制的に投与したと暴露。

エリスロポエチンは赤血球の増加効果を持つことから、貧血対策、筋肉への酸素供給量を高め持久力を向上させる目的で、長距離やエンデュランス系スポーツのドーピングに度々使用され禁止薬物になっている.
ツール・ド・フランスで7回優勝しているランス・アームストロングもかつての使用を認めている。

著者は、「1995年に、ある選手から関連内容を打ち明けた手紙をもらったが、当時は内容があまりにもデリケート過ぎると判断した。今は中国人たちの認識も変ったので、これを公開した」と明らかにした。

本に登場する選手には、陸上女子1万メートル(29分31秒78)の世界記録保持者、王軍霞も。

国際陸上競技連盟(IAAF)は、直ちに「(本の著者が公開した)選手10人の署名入りの手紙が本物かどうかから調査を始める」と明らかにした。

一方、ケニア陸連幹部のバーナバ・コリル氏は18日、ドーピング違反や汚職疑惑が相次ぐ同国連盟が国際陸連から資格停止処分を科される可能性があるとの懸念を明らかにした。

国際陸連のコー会長はケニアが世界反ドーピング機関(WADA)に「不適格組織」と認定された場合、リオデジャネイロ五輪の出場禁止処分も辞さないと述べている。

ケニアがリオ五輪に参加できないとなると、中長距離種目で多数の記録を保持している同国選手の落胆は大きい。また、大会の魅力が減ってしまうのは必至だ。