【攻略】日本横断「川の道」520kmフットレース

ゴールデンウィークは各地でウルトラマラソン大会が開催されますが、その中でも特別長い大会が「川の道」。東京湾に面した葛西臨海公園から新潟日本海までの520km、制限時間132時間という、マラソンの域を超越して旅というに相応しいこの大会。今年も4月30日(土)9時に葛西臨海公園からスタートします。

日本横断ステージ520km 速報
千曲川~信濃川ステージ 254km 速報

第12回大会

こんなにも長い大会が何故だか人気となり、前回の11回大会からはついにエントリー抽選に。今年第12回大会には、A枠63名(招待選手1名)、B枠72名、都合135名が520km部門に、40人が小諸から新潟までの後半ハーフ255km部門に選抜されています。なお、12回大会では前半ハーフ265kmは開催されません。

今年のコース変更箇所

埼玉から長野に至る三国峠を越える通常コース(トレイル)が一部崩落して通行できないことから十国峠を越えるコースへと変更されています。
第一レストポイントのこまどり荘(標高750m)から八丁トンネル(標高1270m)を経て、群馬県神流町(標高440m)へ下り、十国峠(標高1350m)を越えて国道299号武州街道を経て長野へ入ります。通常コースより獲得高度が約700mほど増えているようです。

瀬田さんの思いを日本海に

川の道にはサブタイトルとして「瀬田さんの思いを日本海に」というメッセージがあります。
第7回大会の2日目、2011年5月1日午前2時頃、寄居町国道140号線を走っていた瀬田晃さん(49)を後ろから来た乗用車がはね、病院に搬送されましたが、2時間後に亡くなるという事故が起きました。酒気帯び運転で現行犯逮捕された容疑者からは1リットルあたり0.15ミリグラムのアルコールが検出されています。
瀬田さんは後方から識別できるように点滅ライトや反射板を充分に装備していたにもかかわらず。。

事故を受けて第7回大会は中止。翌年大会は、埼玉県警と相談のうえ、コース変更し安全性を高めた上で開催されました。以後「瀬田さんの思いを日本海に」が川の道ゼッケンに刻まれています。
前日説明会では、夜間のライト装備と、歩道のない道路は右側走行を守るように毎年毎年言い続けています。

3つのレストポイント

コースには途中3つのレストポイントが設けられており、いずれも最低2時間の休憩を取らなければ先に進めないルールです。

  • 170.2km 埼玉県秩父市中津川「こまどり荘」
  • 264.7km 長野県小諸市「小諸グランドキャッスルホテル」
  • 398.5km 新潟県津南町「鹿渡館」
  • 520km(ゴール) 新潟市中央区美咲町「ホンマ健康ランド」

各レストポイントでは風呂、軽食事、睡眠が提供されます。また、スタート地点で預けた荷物は順にレストポイントへ運搬されるため、状況にあわせて装備の見直し、出し入れができます。
川の道を完走するにはこのレストポイントとゴールのほんま健康ランドを帰結とした4つの区間をいかに巧みに走りきるかがポイントです。

葛西臨海公園〜こまどり荘 170.2km

※注記 各地点に表示している距離はルートラボを参照しているため実際の距離と異なる場合があります。
葛西臨海公園から76km地点までは荒川サイクリングコースを走るため信号横断はほとんどなく走りやすいですが日陰はありません。5月の荒川河川敷は晴れると暑いため、熱中症や脱水対策が必要です。オフィシャルエイドが4ヶ所、私設エイドも数ヶ所あります。約76kmのチェックポイントを過ぎると以後CPは無人となるのため、CP通過時刻は個人で記録していくことになります。

ほとんどの人は熊谷市街に来るまでに暗くなり最初の夜を迎えます。寄居を過ぎて国道140号に出ると歩道のない区間があります。瀬田さんが事故に遭ったのはその先です。事故以降、波久礼駅手前を左折し一旦140号を離れるコースに変更されています。こまどり荘まで残り約70km、徐々に上り基調となります。

秩父を通過後しばらく進むと埼玉県側最後のコンビニで補給します。この先コンビニは約100km先の長野県佐久保町まで無いため、食料を買い込むか、こまどり荘にデポしておきます。
道幅が徐々に狭くなり、ところどころ歩道はありません。滝沢ダムのループ橋を越えて140号を離れるとこまどり荘まで約12km。荒川源流の一つ中津川沿いを上ります。桜がまだ残っており綺麗な場所です。
こまどり荘には、先頭は2日目の朝、ゆっくりな人は暗くなってから到着します。しっかりレストする人もいれば、2時間だけの休憩で出発する人などそれぞれ。

こまどり荘に来た時点でボロボロになっている人がいます。雨天の場合マメをつくってしまう人もいます。序盤でのマメや疲労はその後に大きく影響するので、できるだけダメージ少なく余裕を持ってたどり着くようにしましょう。初日の走りには細心の注意を払いましょう。

こまどり荘〜小諸 94.5km

こまどり荘を出ると前半のポイントとなる峠越え。十国峠に至る道はトレイルは無く全て車道を進みます。
神流町には道の駅があり日中であれば食事ができます。ここを夜間通過すると長野の佐久保町まで、こまどり荘から約73km、食べ物を調達できるところは無いようです。

十国峠を越えて長野に入り千曲川の源流の一つ抜井川沿いの武州街道を下ります。長野に入ると空気が変わり気温が下がります。以前は、三国峠に雪が降っていたこともあり、夜間通過する場合はそれなりの防寒装備が必要です。あまりの寒さに耐え切れず捨ててあったビニール肥料袋を加工してインナーベストとして着ている人がいました。

約243km地点で国道141号へ合流すると小諸までは約20km。コース上にはコンビニや飲食店がたくさんあり下り基調でもあるため楽に進めます。歩道の段差が大きいところがあり足元注意です。

ようやく264kmの小諸グランドキャッスルホテルに到着。しかし、マラソンで言えばまだハーフ地点。勝負はこれからです。ここでは簡易食事のみ提供されるので、ホテルに到着する前にコンビニで食料を買い込んでおきましょう。ホテルの風呂には水風呂がありアイシングできます。

小諸への到着は、速い人で2日目の夜、ゆっくりだと3日目の夜に。この時点で24時間以上の差が開きます。完走目標であれば差を気にせす、制限時間にはある程度余裕を持って小諸に到着すれば充分です。

小諸〜鹿渡館 133.8km

小諸を出る頃には、体が旅人になっています。感覚は日常から外れ、体はあちこち痛み、睡魔がふわふわと押し寄せ、全く進まないこともありますが、日本海に行くという目的に集中していきます。

この区間、基本的には下り基調で走りやすいところですが、疲労と睡眠不足に苦しむ、もっとも厳しい区間と言われています。

国道18号は交通量が多く、人と話す機会が増えます。見知らぬ方の小さな応援で元気をもらい、あらためて人間は一人じゃ無いと感じます。

上田を過ぎ約307km篠ノ井橋で大きな流れになった千曲川を渡ります。左手に雪を被った鹿島槍など北アルプスの険しい山々が見えて我ながら遠くに来たと感じます。

長野の善光寺を過ぎると徐々にコンビニや飲食店が減っていきます。ここからの80km、新潟へ至る山間部がこの区間のポイントです。アップダウンが細々あり時間の割に進みません。コンビニや店舗が少ないため補給に失敗すると酷い目にあいます。

飯山駅は北陸新幹線の開通で華やかになりましたが、以前は夜間無人のビバークポイントでした。川の道では鉄道駅や路線バス停など多少でも雨風をしのげる場所でこまめにビバークするのがテクニックの一つです。(おおげさかw)
道の駅を経て千曲川を渡った先、約361km地点にローソンがあります。その先は約35kmコンビニがありませんが、ありがたいことに最近はこの区間で私設エイドを出していただいているようで非常に助かります。ここは、日中であれば道の駅などで補給できるため明るいうちに通過することがおすすめです。

約384kmあたりから標識が新潟県になります。鹿渡館に到着。年季が入った宿ですが、暖かい風呂と食事、乾いた布団で寝れるだけで最高に幸せです。

鹿渡館〜日本海 120km

まだ残り100km以上ですが、あと100km少ししか走らなくて良いんだと嬉しくて元気になります。この区間は補給できるところが多く、荷物を減らして軽装で走る人もいます。

小千谷には川の道名物和田さんのスペシャル私設エイドがあります。大会期間中小屋を解放して、食事や仮眠スペースを提供いただいているありがたいエイドです。今年から正式なCPになりました。

長岡あたりからフラットになり走りやすいのですが単調な景色が続きます。さらに、約480kmの燕三条を通過すると10km以上続く長い長い魔の直線では幻覚、幻聴のオンパレードです。

残り10kmを過ぎ、信濃川河川敷に上がると滔々とした流れを目にし、また完走できる安堵感もあってしばし佇みます。でも、そこから、なかなか日本海が見えてこない(笑)。いくつかの橋をやり過ごし、ようやく日本海へ。走者と同じく疲労しているにもかかわらずスタッフが笑顔で迎えてくれます。
できれば、日本海にタッチしたいところですが、テトラポッドがゴツゴツ置いてあり、まともじゃ無い足腰で近づくのはちょっと危ないので眺めるだけにして、ゴールのホンマ健康ランドに向かいます。

GWで賑わうホンマ健康ランドには、そこかしこに先着したランナーが転がっています(笑)。話をしている途中で寝落ちする人。生まれたばかりの子鹿風。像足などなど。ボロボロであるほど完走の喜びは一入。
風呂に入って着替えると感覚が徐々に日常に戻っていきます。夢のような旅は終わりです。

大会記録

520kmの大会記録は、2009年第5回大会の藤原定子さんの記録 89時間19分05秒が長い間1位でしたが、ついに2014年の第10回大会で梅澤功さんが77時間36分15秒(3日と5時間36分)という驚愕の記録でゴール。しかも、ゴール後、一旦埼玉へ帰宅、車で新潟に戻り私設エイドを2日間やるというタフネスぶり!
梅澤さんは翌年2015年大会も79時間で連覇。2016年大会にも参戦予定です。
梅澤さんの装備について

天候気温

GWの天気は変化しやすく雨天日も多い。川の道の期間ずっと雨だったことも過去にはあります。
関東平野で気温が高くとも、長野へ至る峠では夜間に雪が降ったり、新潟の道にはまだ残雪が積もっている事もあります。また、平地でも日中と夜間の気温の差は大きいため、しっかりとした防寒対策が必要です。

攻略ポイント

レースの考え方

距離が長すぎて全体のプランが立てにくく、天気やコンディションなど先が読めない部分が多々有ります。行き当たりばったりで進むというのも楽しみ方の一つですが、4つの区間に分けて、各区間のおおまかなタイムスケジュール、レストでの仮眠時間、夜間区間はどこかなどを把握し、必要な装備を検討しておきましょう。

装備

もっとも重要なのはシューズです。HOKAなどクッション高めのシューズは足全体へのダメージが少ないのでオススメです。また、足むくみで靴に入らずハサミで切って加工する人もいるので、できればワンサイズ大きなシューズを別に用意しておくと安心です。しかし最初から大きなシューズを履くのは、マメ、スレの原因になるのでオススメできません。また、通気性が高いことも靴を選別する上で重要なポイントです。
ソックスは通気性の高いものを選んだほうがスレやマメ予防になります。足にはガーニーグーやワセリンなどをこまめに塗って、スレ、マメを予防しましょう。
足に少しでも違和感を感じたら、止まって対処。原因は何か、どうすれば回避できるか、面倒ですがこまめに対処していくことで、後々ダメージが大きくなることを防げます。
雨具はゴアテックス製の厚手なものを用意しておくと、防寒にも利用できます。また、雨が続くようであれば雨具は2セット用意したほうが安心です。
荷物はできるだけ軽量なほうが優位です。コンビニなどで購入できるものは極力持たないようにしましょう。

どんな装備でもいきなり本番で使ってみるのはよくありません。人の言っていることもあまり当てになりません。道具は自ら試して慣らして使いましょう。

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食事

ウルトラマラソンは、いかに食べ続けるかが重要な要素です。ホモサピエンスな我々は消費カロリーと同等かそれ以上を摂取しつづければ、連続運動が可能です。逆は不可。摂取エネルギーが不足すると動けなくなるのは明理です。
ありがたいことに日本ではコンビニエンスストアなる公共的エイドステーションが各地で24時間営業しているため、いつでもどこでも暖かい食事をとることができます。道端で腹が減って動けなることはなく、動けなくなるのは摂取計画に失敗した時です。

川の道の食料計画もレストポイント以外はコンビニを中心に組み立てます。コース上のコンビニ、スーパー、飲食店などを全部地図に書き出します。コンビニの無い区間はデンジャーゾーンです。必要カロリー物を持参しましょう。元気なうちは何でも好きに食べられますが、疲れてくると食べることが面倒で疎かになりがちです。食べないと消耗していくだけなので、何時に何を食べたので次は何時に食べるという計画を確実に遂行していきます。これを実行していけば、理論的にはどこまでも走り続けることが可能です。
固形物が食べれなくなった時、必要なカロリーを何で代替するかのか、何カロリー取ればいいのか、あらかじめシミューレートしておくといちいち計算しなくても判断できます。

また、夕方などに急に気温が下がると、吐き気がして途端に食べれなくことがあります。日中の暖かい16時ごろまでにたくさん食べておき、気温の変化や夜間に備えるのがいいでしょう。夜間に寒さが厳しくてもお腹が満たされていれば、なんとでもなります。

ケア

とにかく足への負担が大きいので大会中もケアしましょう。
ランニングは基本的に同じ動作を繰り返しなので、歩きを交えたり、信号待ち時のストレッチなどは非常に有効です。
マメ、スレができた場合のパットや絆創膏、テーピングなどは持参しましょう。
また、レストポイントでは足を冷やすグッズ(冷えピタ、アイスバッグ、フィジール)などで簡易的に冷やすだけで随分違います。
むくみ対策としては圧着ソックスなどが有効です。

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