東京五輪のメダル目標 〜マラソン復活なるか?〜

東京五輪 メダル目標3位

日本代表チームの選手団が24日午前に帰国し、メダリストと役員が会見を開きました。橋本団長は東京五輪の目標として、

「メダル獲得数で3位以内、実施される33の各競技で最低1つのメダル獲得を目指し、リオで得た41個の倍以上のメダル総数」

を目標に掲げました。

リオ五輪では日本はメダル41個で国別6位。ロンドンの38個11位から伸びていますが、ロシア不参加で日本に転がり込んだメダルがあったかもしれません。

リオ五輪 国別メダル獲得数
リオ五輪での国別メダル獲得数
リオ五輪での国別メダル獲得数

リオ五輪 陸上競技の結果

陸上競技だけで見ると日本は、銀1、銅1、入賞2で25位という結果。リレーは想定外でしたが、競歩はもっと上位に食い込めると思っていました。

リオ五輪の結果は、ロンドン34位、北京36位に比べると悪くはありません。アテネ11位、シドニー18位とマラソンなどが強かった時代には及びませんが。

ちなみに、リオ五輪の陸上競技は全部で47種目、メダル総数は141個でした。
当初からロシア不在によるアメリカ活躍が予想されていたように、アメリカは国別1位、32個(全体の23%)のメダルを取っています。

アメリカは、ロンドンで28個、北京で23個、アテネ25個、シドニー16個だったので、陸上競技でも数字を伸ばしています。

陸上競技のメダル数と入賞数
陸上競技のメダル数と入賞数
陸上競技のメダル数と入賞数

陸上で日本がメダルを取れる種目

陸上競技では、生まれついた身体能力が成績を左右することが非常に多く、100m走や砲丸投、走高跳など身体能力がパフォーマンスに直結している種目は、身体能力で劣る日本人は不利と言われ、東京五輪でも苦戦が予想されます。

5000mや10000mでは、上位との差が開きすぎていて東京までの4年で差が埋まるとは思えません。

しかし、複雑な動きやテクニカルな要素が必要とされる種目については、世界でも戦えることは、今回のリレーの繋ぐ技術、競歩の技術などで実証されているため、同じく、ハードルや棒高跳などにも活躍できる余地があると言えます。

マラソン復活は?

マラソン不振は寂しいところ。改善の糸口として注目したいのは米国選手の走りです。

リオ銅メダルのゲーレン・ラップは2時間10分5秒でPBでした。PBですよ。

ラップは今年2月にLos Angelesで開催されたオリンピック選考会で優勝し代表に選ばれています。その時のタイムは2時間11分13秒。これがリオ前のPBです。

元々5000mや10000mが専門なので、スピードには自信を持っていたようですが、30kmすぎのペースアップ(30-35kmのキプチョゲは14分25秒!)には、さすがについていけなかったものの、マラソン経験浅い中、アフリカ勢にみごとに対抗しています。

もう一人の米国6位入賞者ジャレッド・ワードは、2時間11分30秒でこちらもPBでした。2月のLA選考会では2時間13分で3位。リオ以前のPBは、2015年に記録した2時間12分56秒でした。

仮に2人がこの記録で日本の代表選考に出てきたら選ばれていたでしょうか?
アメリカ選考は一発勝負。記録よりも内容を重視しています。

両名ともこれまで10分切ったことがないのにリオ五輪に出てPB入賞しています。約半年間で蒸し暑いリオでPB出せるよう調整し結果を残すのは、本人たちの能力の他にもサポートの影響も大きかったはずです。

一方で、日本選手は3人とも10分を切るPBを持ちながら惨敗でした。走力もスピードもあるのに、アメリカ選手並みに調整できていたのか疑問(毎回)です。

五輪マラソンは夏なので、スピードだけでなく戦略やしぶとさが求められます。ケニア代表は暑さに弱かった選手は速くとも選ばれていません。

東京五輪は、リオよりも過酷な環境でのマラソン開催になるはずです。同じようにスローペースで進み、突如、世界最高速で振るいが動き出します。

暑さに強いのは誰か。ペースの上げ下げに粘り強く着いていけるのは誰か。その選手をどのように選考するのか。そして、選ばれた選手を最高の状態に持っていけるサポート体制が必要になるはずです。